前回の話
【続きは出典元から】
「どう思う?」
真也に声をかけられて、ビクッとしてしまった。さっきの動画が脳裏にこびりつき、周りがまったく見えない状況になっていた。そして僕は、何も答えられない。彼が言うように、確かにセックスしてしまっていたように見えてしまう。
ただまたがっていただけ……だとしても、乳首を触られていたことは間違いないし、想像以上に卑猥なことをしていた事にショックを受けてしまった。
香澄は、小柄で可愛らしい女性だ。可愛らしい見た目に一致した、恥ずかしがりで控えめな女性だ。合コンなんて、したことがないタイプだと思っていた。
「でも、どっちにしても昔のことだからな。香澄ちゃん、自分からコンパしようなんて言ったこともないし、マジで積極的じゃなかったから」
必死で香澄をかばう彼。それは、真実だと思う。香澄の性格を考えると、間違いないと思う。僕は、このまたがられていた男性は、真也の友人かと聞いた。
「いや、拓実の友達だよ。俺はこの日が初対面だった」
そんな説明をする彼。拓実は僕も知っている。知っている程度の関係だが、ちょっとチャラいイメージの男だったと思う。僕は、香澄がまたがっていた男性と会えないかと聞いた。
「え? 会う? なんで?」
真也は、意味がわからないという顔をしている。無理もない。僕も、勢いで言っているだけで、どうしてこんな事を聞いたのかわかっていないくらいだ。
「わかった、話聞きたいんだろ? あの時、ホントはハメてたかどうかって事」
真也は、勝手に納得してテンションを上げている。僕は、そんなつもりはなかったのに、その気になってしまった。
「拓実とはまだ遊んでるから、アイツとも連絡取れると思うぞ。確か、田中とか言ってたかな?」
真也は、そんな風に言うとスマホを操作し始めた。せっかちなのは昔からだが、相変わらずだ。
「おっ、連絡取れるってさ。最近つるんでないみたいだけど、普通に連絡できるって。どうする? 都合付けばこれからでもいいか?」
さすがに急すぎるというか、仕事もある。
「じゃあ、夕方。時間とか場所決まったら、ラインする」
真也は、楽しそうにすら見える。さっきまでの、僕に申し訳ないという感じは消えていて、好奇心いっぱいの顔になっている。彼と別れたあと、モヤモヤした気持ちになった。今さら昔のことを聞いて、なんになるのだろう? 若い時に、多少ハメを外すことはあると思う。今の香澄は、最高に良い妻だ。知らない方が良いこともある……そんな言葉が頭をよぎる。
会社に戻って仕事をしていても、色々気になってしまう。そして、不思議なほど興奮して勃起してしまう。香澄が、大勢のいる中でセックスをしたかもしれない……そんな最悪の状況を想像しているのに、どうしてこんなに興奮してしまうのだろう?
すると、真也から連絡が来た。今日の18:00にアイツの家の近くの喫茶店で待ち合わせということになった。本当に、今日になるとは思っていなかった。正直、行きたくないという気持ちもある。真也からのメッセージには、僕が香澄の夫だということは伏せておくようにと書いてあった。それが知られると、ウソをつかれるかもしれないからと。もっともな話だ。
少し早めに会社を出ると、すぐに待ち合わせの喫茶店を目指した。真也とはたまに行く喫茶店で、お客さんが少ない。そのくせ広いので、話を聞かれる心配も少ない。どうして経営が成り立っているのか不思議な感じの店だが、僕は結構好きだ。
10分前に到着すると、まだ誰も来ていない。5分前に、真也がやってきた。
「早いじゃん。聞く気満々だな」
ニヤニヤしながら言う彼。うっかりと失言してしまったことは、もうなんとも思っていないみたいだ。彼がポロッと口にしなければ、香澄の合コンの話や王様ゲームの話は、一生知らないままだったはずだ。
そして、時間になった。でも、田中は来ない。おかしいなと話していると、5分遅れで彼はやってきた。見るからに、チャラい。髪もかなり明るめで、ウルフカットというのだろうか? 長めだ。一見して、まともな社会人ではないような雰囲気を漂わせている。
動画の時よりも、ダメな人間になっているように見える。
「久しぶり、元気?」
遅れてきたことにはなにも触れず、真也に声をかける彼。コンパで数回しか会ったことがないはずだが、旧友と会った時のような態度をしている。真也は、元気だよ、田中は? と、声をかける。真也も社交性がある方なので、一見、友人同士の待ち合わせに見えると思う。そして、彼は僕にも気安い感じで挨拶をしてきた。
「でも、面白いことしてるね。あの子がホントにやってたかどうかを賭けるなんて、趣味悪くない? まぁ、そう言うの好きだけど」
ニヤニヤと楽しそうに話を始める彼。一瞬意味がわからなかったが、真也のアイコンタクトで意味を理解した。そして、とりあえず中に入ってコーヒーやアイスティーを頼み、彼の話が始まった。
「あの子……香澄ちゃんだっけ? メチャクチャタイプだったんだよね。小っちゃくて巨乳で童顔で、ロリ可愛い感じだったじゃん?」
本当に楽しそうに話をする彼。なんというか、話に引き込まれてしまう。話が上手い……。
「あんなエッチなことなんてなにも知りませんって顔してるくせに、ド淫乱じゃん? 見た瞬間にわかったよ。でも、あそこまで淫乱な子だったとは思わなかったけど」
おどけたように言う彼。香澄が淫乱? なにを言っているのだろう? 思わず、否定しそうになってしまった。
「え? じゃあ、やってたの?」
真也は、直球で質問する。
「どっちちがやってた方に賭けてるの?」
質問には答えずに、質問をしてくる彼。ペースを乱すことがないタイプみたいだ。真也は、とっさに俺がそっちに賭けてると伝えた。
「見る目あるじゃん。やってたよ。根元までずっぽりハメてた」
田中は、楽しそうに言う。ショックを受けてしまったが、なんとか平静を装う。
「マジか、あんな大勢いる中でよくやれたよな」
真也が驚いた顔を見せる。
「うん。そこまでする気なかったけどな。チンポ出してオマンコにこすりつけてたら、香澄ちゃんが入れちゃったんだよね」
田中は、信じられないことを言い始めた。とても信じられない。
「マジで? ウソでしょ。田中が無理矢理入れたんじゃないの?」
真也も、とても信じられないという顔をしている。無理もない。香澄のキャラクターからして、そんなことをするとはとても思えない。
「いや、さすがにそんなことしないって。妊娠しちゃったら可哀想だし。それに、女には困ってなかったしさ」
意外なことを言う彼。避妊なんて関係ない、無責任セックスをしてそうな見た目だ。見た目に反して、真面目なんだろうか?
「マジか……香澄ちゃん、メチャクチャ恥ずかしがってたけどな」
「でも、腰メチャ動かしてたでしょ? オマンコキツキツで、うねってたから搾り取られそうだったよ。香澄ちゃん、メチャクチャ名器だったよ。オマエ達はやってないの? 香澄ちゃん、言えばやらせてくれるでしょ?」
田中は、事もなげに言う。
「な、ないよ。香澄ちゃん、ヤリマンじゃないし。そんなことしないって」
慌ててフォローみたいな事を口にする真也。
「いやいや、ド淫乱だって。あの時も、俺の手持って乳首触らせてきたし。ガチガチに勃起しててさ、触ったらすぐイッてたよ。みんながいるのに、スゲぇなって思ったよ」
田中の告白は、やっぱり信じられないものだ。香澄が自分から積極的に色々していた? この男は信用できないと感じる。
「いや、そんな感じじゃなかっただろ? ちょっと大げさじゃない?」
真也は、やっぱり信じられないというリアクションを続けている。無理もないと思う。
「見た目に騙されてない? 香澄ちゃん、メチャクチャ可愛いから淫乱だって思わないかもしれないけど、マジでエッチ大好きな子だったよ」
ソフトな語り口で話を続ける彼。やっぱり話に引き込まれる何かがある。真也は、それでもやっぱり信じられないと言い続けている。
「だって、あの時もトイレで続きしたし。香澄ちゃんが、小声で誘ってきたんだよね。先にあの子が行って、俺があとから行ったの気がつかなかった?」
田中は、そんな話を続けている。足下が崩れてしまうような、絶望的な気持ちになってしまった。
「マジ? 確かに、香澄ちゃんすぐ部屋出てったよな。でも、田中は部屋にいなかったっけ?」
真也は、記憶を探っている。
「なんか、カラオケ盛り上がってたじゃん? その隙にこっそり出てったんだよね」
田中は、ウソを言っている感じはない。淡々と、ソフトに話を続けている。
「トイレで、どんな風にやったの?」
真也は、すっかりと彼の話に心奪われているようだ。
「ヤバかったよ。トイレの前で香澄ちゃんが待ってたんだけど、俺が近づいたらそこでキスしてきたよ。俺のチンポまさぐりながら、メチャクチャ舌からませてきた。さすがに廊下じゃマズいから、慌ててトイレに引き込んだ」
田中は、さらに信じがたい話を続ける。真也は、言葉もなく話を聞き続けている。
「トイレの個室入ったら、すぐ後ろ向いてスカートまくり上げてきたよ。もうパンツ脱いでて、準備できてた。俺がゴム付けようとしたら、今すぐハメてくれって。平気な日? って聞いたら、わかんないけど我慢できないってさ。すぐチンポ突っ込んだら、メチャクチャ声出して焦ったよ」
田中の話を聞いて、激しく興奮してしまった。勃起したまま話を聞き続けていると、田中の話はますますエスカレートしていく。
「声出ちゃうから、手で押さえながら腰振ってた。なんか、犯してるみたいでイヤだったけど、香澄ちゃんメチャクチャ乱れてた。犯されるみたいなこと好きみたい。手で口押さえてるのに、メチャクチャ声出してた」
僕は、もう無理だと思うくらいにショックを受けている。これ以上聞きたくない……そんな気持ちだ。
「声出すぎでヤバいから腰止めたら、香澄ちゃんが腰動かしてきたよ。あんな子、初めて見た。バックで女の子の方が腰振るなんて、さすがにドン引きしたよ」
田中は、面白いことを言ったみたいな顔で笑っている。でも、まったく笑えない……。すると、真也も驚いたような顔のまま、
「マジで? 香澄ちゃんが? ちょっと信じられない」
と言う。無理もない話だ。
「俺も驚いたからね。あんなにエッチ好きな子いるんだって。それで、すぐイッてた。自分で腰振ってそのままイキまくってたよ。そしたら、立ったまま正面からしたいって言い始めてさ、身長差あって大変だったけど、子宮まで串刺しにして欲しいんだって。エグかったよ」
田中がしているのは、香澄の話なんだろうか? 他の子と間違えていないのだろうか? どうしても僕の知ってる香澄と一致しない。
「いや、ちょっと信じられないかな? それ、違う子じゃないの?」
【続きは出典元から】