前回の話
【続きは出典元から】
「え? また預けるの? ダメだよ、やめとこうよ」
紀香は、意外な反応を見せた。てっきり、喜んで哲也の元に行くものだと思った。でも、紀香は消極的だ。消極的と言うよりも、拒否反応を示しているような状況だ。思わず、どうして? あんなにハマってたのにと聞くと、
「うん……ハマったからだよ。あんなの、もうダメ。戻れなくなっちゃうもん。良いの? 正彦さんは、そうなっても後悔しないの?」
と、苦悩に満ちたような顔で言う。俺は、単純な拒否ではないなと感じた。たぶん、かなり葛藤していると思う。その質問に答えずに、紀香は本当に行きたくないの? と聞いた。
「……それは……」
紀香は、口ごもった。これは、答えたのと同じ事だ。やっぱり、紀香自身も哲也にもう一度調教されたいと思っているのだと思う。いままで経験した事のない快感を植え付けられて、身体は覚えてしまったのだと思う。いくら俺とのセックスでイケるようになったところで、それは哲也のおかげだ。彼なら、俺とのセックス以上の快感を与えられるはずだ。
「正彦さんは、今度はどれくらいの期間預けるつもりなの?」
気まずい沈黙を、紀香が破った。すでに、気持ちが変わりつつあるようだ。具体的に何も考えていなかった俺は、とっさに3ヶ月と答えた。
「えっ!? そんなに長く?」
目をまん丸にして驚く紀香。当然だと思う。言った俺も、言いすぎだったと思っているくらいだ。思わず、じゃあ2ヶ月と短縮するような事を言った。
「……うん。それくらいなら……」
紀香は、意外なほどあっさりと受け入れた。2ヶ月なんて、絶対に無理と言うと思った。でも、2ヶ月なら了解したようなリアクションだ。3ヶ月も2ヶ月も、たいして違いがないように思う。
「いつから? 正彦さん、大丈夫? 掃除とか洗濯だけしに来ようか?」
紀香は、いつの間にか積極的とも思える発言をし始めた。俺は、自分で出来るから大丈夫と答えるのが精一杯だ。まさか、こんなにあっさりと決まるとは思っていなかった。まだ、昨日の今日だ。哲也の予定を聞いて調整すると答えると、
「うん。わかった……明後日は予定入ってるから、それ以降にして欲しいかな?」
と、手帳を見ながら答える彼女。今週中にスタートするつもりなのだろうか? まだ紀香は戻ってきたばかりなので、当分先のスタートを想定していた。紀香は、そんなに乗り気なのだろうか? 自分で言い出した事なのに、不安が募る。
翌日、会社に行き、昼に哲也と連絡を取った。
「え? もう? 早すぎるだろ。紀香ちゃん、OKしたの? マジで?」
哲也は、かなり驚いている。でも、嬉しさを隠しきれない感じの声だ。もちろんOKしてるし、明明後日以降ならいつでもいいと言っていると伝えると、
「マジか、そんなに良かったのかな? 嬉しいよ。で、期間は?」
哲也はテンションがかなり上がっている。俺は、2ヶ月を考えていると伝えた。さすがに2ヶ月は無理か? と聞くと、
「無理? なんで? 全然OKだよ。2年でも良いし」
哲也は、ふざけている感じはない。元々紀香の事は気に入っていたと思うが、それはかなりの熱量のようだ。
「NGな事は? 妊娠させる以外、禁止事項はあるのか?」
ドキッとする事を言う彼。今度は、しっかりとセックスまでするつもりのようだ。でも、それは俺が望んでそうしてくれと言ったことだ。俺は、すぐにタトゥーのことを言った。ヘナなので消えるとは言え、やっぱり不安と焦燥感が強い。
「マジで? メチャクチャ興奮したんじゃないのか? ああいうの、寝取られものの同人誌とかだと定番だろ? 今度は、ヘナじゃなくて本当に彫ってもらおうか?」
哲也は、俺が完全に寝取られ性癖だと決めてかかっている。確かに、この期に及んではそれは否定できないと思う。でも、妻に入れ墨を入れられて興奮するほどの重症ではないと思っている。
「わかったよ。他は? ある程度自由にやらせてもらうぞ。本当にイヤなら言ってくれればやめるけど、紀香ちゃんドMだしな。言いなりになりそうだよ」
哲也は、そんな話を続ける。確かに、紀香の話を聞く限り、それは否定できないと思う。紀香は、完全にドMだと思う。どんなことをするつもりだと尋ねると、
「それ聞かされたら、オマエの興奮もスポイルされるぜ? 聞いていない方が、興奮できるって。まぁ、任せてくれよ。非常識なことはしないからさ」
哲也は、涼しい顔で言う。でも、非常識なことをしないという言葉を、信じ切れない俺がいる……。そして、電話での打ち合わせは終わった。スタートは、次の土曜日からになった。そしてNGは、妊娠とタトゥーだけを指定した。それ以外は、想像がつかないと言うこともある。
「土曜日から? うん、わかった。今度は長いから、色々準備しておくね。私がいないからって、浮気したらダメだよ。浮気したら、本当に哲也さんと結婚しちゃうからね」
紀香は、ドキッとすることを言う。この状況で言われると、冗談には聞こえない。不安がさらに膨らむのを感じた。そして夜になると、猛烈に執着心が湧き上がり、彼女を抱いた。
「フフ、どうしたの? 昨日もしたのに」
紀香は、妖艶に微笑んでいる。ドキドキしてしまうような表情だ。紀香は、またフェラチオをしてくれた。昨日よりも念入りに、根元までくわえ込んでフェラチオをしてくれている。俺のものを根元までくわえ込み、舌を絡ませてバキュームしてくる。
紀香は、根元までくわえ込んでいても余裕が見える。涙目になっているわけでもないし、苦しそうにも見えない。3日間、一日中口での奉仕を調教されて、すっかりと巧みな舌遣いになってしまった。
髪型も変わり、髪色も変わっている。こうやって上から見ていると、別人にフェラチオされているような感覚になってしまう。俺は、もう射精感が限界近くになっている。哲也は、3日目にやっと射精したそうだ。こんな事にも、敗北を感じてしまう。
「哲也さんの、長すぎて根元までくわえるの大変なんだよ。最初は全然無理で、えづいて吐いちゃいそうになってたの」
そんなことを言いながら、フェラチオを続ける紀香……挑発的で、いらずらっぽい顔になっている。俺は、必死で射精を堪えながら彼女の服を脱がせようとした。すると、紀香はフェラチオを続けたまま服を脱いでいく。器用なものだ。
そして、全裸になった紀香を見て、またショックを受けてしまった。いくら消える塗料だとは言え、剃り上げられた秘部に哲也専用とタトゥーが入っている……。紀香を、奪われてしまったような気持ちになる。
「フフ、カチカチになった。そんなに興奮しちゃう? 私も興奮してるんだ……これ見る度に、オマンコの奥がキュンキュンうずいちゃう。欲しいって思っちゃう……哲也さんの大っきなおチンポ、ハメて欲しくて泣きそうな気持ちになるの」
俺のものを手で軽くしごきながら、挑発的な笑みを見せる彼女。もう、少しでも気を抜いたら射精してしまいそうだ。
「次は、本物で彫ってもらおうか? 消えない奴隷の印、刻んでもらおうか?」
紀香は、声がうわずっている。俺を挑発するための言葉で、彼女自身も興奮している。それは、本当にタトゥーを入れられたいという気持ちからなんだろうか? ただ、それは禁止事項だ。二つだけの禁止事項の一つだ。それを話すと、
「フフ、そんな事決めたんだね。でも、それって、本当は一番望んでることでしょ? 私がタトゥー彫られて、妊娠させられるのが望みなんでしょ?」
と、微笑みながら言う彼女。俺は、違うと即答した。でも、違うと言いながらも、さらにペニスが固くいきり立つのを感じる。
「本当にそう思ってる? おチンポ、もっと固くなったよ。本当は、見たいんでしょ? 私が哲也さんに孕ませられちゃうの、望んでるんでしょ?」
紀香は、そんな酷いことを言いながら手コキを続けてくる。俺は、堪えきれずに射精を始めた。
「フフ、出ちゃった。やっぱりそうなんだ。哲也さんと、コンドームなしでセックスしてくるね。そんなに簡単に出来ないと思うけど、哲也さんのおチンポ長いから、直接子宮にかかっちゃうかもね」
紀香は、言葉責めでもしているようだ。完全に、紀香が主導権を握っている。俺は、情けない気持ちのまま、コンドームはつけて欲しいと伝えた。
「どうして? 禁止事項は、妊娠でしょ? ちゃんと外に出してもらうから、妊娠しないように頑張るね。でも、出来ちゃったら……」
紀香は、最後まで言わない。言葉を途中で止めた。出来たらどうするつもりだろう? 俺は、激しい嫉妬に駆られ、彼女に覆い被さった。射精しても固いままのペニスを、そのまま挿入する。
「ダメだよ、ちゃんとゴム付けて。出来ちゃうよ? 哲也さんとする前から妊娠してたら、正彦さん興奮できないでしょ?」
そう言って、俺の下からスルリと抜け出す彼女。色々な言葉が頭を巡るが、上手く言葉が出せない。そんなフリーズ状態の俺のペニスに、コンドームをつけ始めた彼女……ぎこちないが、あっけなく装着された。
「良いよ、入れて。これなら、赤ちゃん出来ないから安心だね」
紀香は、いじめっ子の顔になっている。いつもの菩薩のように優しい表情からは想像も出来ないくらいに、イジワルないたずらっ子の顔になっている。
複雑な気持ちのまま、彼女に挿入した。
「固いよ。すごく固くなってる。いま、なに想像してるの? 私が哲也さんに孕ませてもらうところ? それとも、タトゥー?」
紀香は、興奮した顔で聞いてくる。俺は、返事も出来ずに腰を動かし始めた。射精したばかりなのに、快感が強すぎる。もう射精感が湧き上がっているほどだ。
「2ヶ月後、どうなってると思う? 2ヶ月の間、連絡しない方が良い? 途中経過、メールしなくても良いの?」
そんな質問をしてくる彼女。俺は、しなくて良いと伝えた。途中経過なんて知らされたら、もう止めてくれと言うに決まっている。
「心配じゃないの?」
紀香は、悲しそうな顔になった。慌ててそんなことはないと伝える。
「でも、帰ってこなくなったらどうするの? 完全に哲也さんのものになっちゃうかもよ?」
ドキッとするようなことを言う彼女。でも、俺はすぐに紀香を信じていると伝えた。
「勝手に貸し出しといて、信じてるって言われても」
紀香は、吹き出すように笑っている。俺が挿入して腰を振っているのに、たいして気持ち良くないのだろうか? ディルドの時とは大違いだ。
すると、急速に俺のものは固さを失う。そして、あっけなく抜けてしまった。
「あれ? 柔らかくなっちゃったね……まだ、刺激足りなかった? やっぱり、これくらいじゃダメなんだね……ゴメンね、もっと、正彦さんを興奮させられるように頑張ってくるね」
紀香は、急に挑発的な顔が消えた。本当に申し訳なさそうで、心配している顔になっている。俺は、今さら気がついた。紀香は、俺のために頑張ってくれたのだと……。てっきり、アイツに身も心も調教されてしまったのだと思っていた。でも、それは俺を興奮させるためのものだったようだ……。
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