「悪い! もう少し待ってくれないか? 絶対に返すからさ!」
研二は、僕に会うなり土下座でもする勢いで謝ってきた。僕は、お金のことじゃないよと告げる。
「え? 違うの? 久しぶりに連絡来たから、絶対借金のことかと思ったよ。て言うか、金のこと以外でなんかあったっけ? なんか、借りてた?」
研二は、急にクールな感じに戻って言う。さっきの、土下座でもしそうな感じは演技なんだなと、妙なところに感心してしまった。

それにしても、相変わらず研二は男前だ。パッと目を引くイケメンで、服装や仕草に優雅さを感じる。研二とは、大学のサークルで知り合った。とにかく男にも女にも人気のある彼は、ある意味で僕とは正反対のタイプの男だった。

ただ、正反対なのが良かったのか、お互いに気が合った。親友と言っても良いかもしれない。ただ、卒業してからは本当にたまに会う程度になってしまっていた。
そして、さっき言われた借金のことは、僕自身もう忘れていた。確か、大学時代にトータルで5万程度貸していたと思う。ただ、僕が趣味を活かしたバイトというか副業で、月に50万くらいは稼いでいたこともあって、貸したと言うよりは助けてやったという気持ちでいた。

僕は、なにも貸してないと告げた。
「ん? だったら、なんだろう? 女を紹介……ってわけないしな。結婚してまだ1年くらいだっけ?」
研二は、相変わらず調子よくしゃべる。大学時代に彼女を彼に寝取られた事がある僕は、妻に彼を紹介していない。というか、会わせたら最後だと思って遠ざけていた。

僕は、本当に何事かと気になっている彼に、説明を始めた。
「ん? それって、お前のかみさんを堕とせってこと? 離婚したいとか?」
研二は、不思議そうな顔で質問してくる。僕は、そうではないと告げる。妻のことは大好きだと言う。
「はぁ? あっ、あれか! かみさんが、浮気しないかテストだ!」
研二は、やっと答えがわかったという顔になっている。でも、僕はそれも否定した。そして、さらに説明を続ける。

「なんか、お前のかみさんを、俺に惚れさせろって言ってるみたいに聞こえるけど」
研二は、不思議そうな顔で言う。僕は、その通りだと告げた。
「それって、お前に何のメリットがあるの? 浮気させて、その証拠を突きつけてなんかさせるつもりか?」
研二は、そんな風に言う。僕は、それも違うと言った。そして、僕の心の内を説明する。

「そっか、寝取られ性癖なんだな。でも、こう言うの、試したことあるの?」
研二は、意外にあっさりと理解した。僕は、試したことなどないと言う。
「だったら、少しずつ試したら? いきなり本気で惚れさせろって、最初から飛ばしすぎじゃないの?」
研二は、もっともなことを言う。でも、僕はすぐにそれではダメだと説明した。

僕の寝取られ性癖は、元をたどれば研二のせいだ。大学2年の秋、彼に彼女を寝取られた。普通なら、そこで絶交するようなものだけど、気が付くと研二との関係は元に戻っていた。
その時寝取られた彼女が、実は他の男性と浮気をしていたことも発覚し、逆に彼に感謝した事がきっかけだ。

ただ、その時に僕は自分の中の寝取られ性癖を自覚した。そして、あれから何年も経ち、僕は結婚もした。妻の杏奈には、何の不満もない。それどころか、よく僕なんかと結婚してくれたなと、感謝している。

杏奈は、一つ年下の27歳だ。地味な僕とは違って、華があるタイプだ。少し異国の血が混じってる? と、思うくらいに派手な顔立ちだ。日本人離れした美人という印象だ。
なので、職場で知り合ったとき、僕なんかは相手にされないと思っていたし、恋愛対象になる事なんてないだろうなと思っていた。

それが、まさかの彼女からの告白で、一気に関係が深くなった。そして、交際から半年後には結婚することが決まった。どうして僕なんかと結婚してくれたのか聞いたら、
『いつも優しいから。助けて欲しいなって思うと、必ず助けてくれる。それに、絶対に浮気とかしそうにないから』
と、良い笑顔で言ってくれた。僕は、確かにいつも彼女のことを気にかけていたし、浮気なんてしない……というか、出来ないタイプだ。

杏奈との新婚生活は、本当に楽しいものだった。派手な見た目に反して家庭的な彼女は、料理も家事もそつなくこなしてくれる。まだ共働きなので、僕も何かやると言っても、全部自分でやってしまう。僕は、掃除とかゴミ出しをするくらいしか手伝えず、申し訳ないなと思いながらも幸せだなと感じていた。

ただ、見た目に反して家庭的だと思っていた彼女も、セックスに関してはかなり積極的だった。このルックスで、処女の訳はないと思っていたが、やっぱりそれなりの経験はしているような感じだった。

ベッドに入って休んでいると、風呂から上がった杏奈が寝室に入ってくる。黒のセクシーなランジェリー姿の彼女は、そのままベッドに上がって僕に覆い被さってくる。
なにも言わずにキスを始める杏奈……。僕は、彼女のセクシーな姿にすっかりと興奮している。そして、夢中で舌を絡めていく。

『ゴメンね、仕事で疲れてるのに……』
杏奈は、そんな風に言いながらも僕のパジャマを脱がせてくる。息遣いも荒く、興奮しているのが伝わってくる。僕は、杏奈から誘ってくれることに嬉しいなと思いながらも、ちょっと頻度が高すぎるかな? と、思ったりもする。

そして、僕を全裸にした杏奈は、僕の乳首を舐めながらペニスをしごいてくる。一気に射精感が高まってしまい、僕はあえぐような声をあげる。杏奈は、
『すごく固い。まだ出しちゃダメだからね』
と、言いながら僕のペニスをくわえてくれる。舌が絡みつき、バキュームもされたりする。僕は、杏奈の巧みなフェラチオを味わいながら、こんな風にフェラチオを仕込んだのは誰なんだろう? と、嫉妬のような感情を持ってしまう。

杏奈は、嬉しそうにフェラチオを続けてくれる。僕は、次第に過去のことではなく、杏奈が寝取られる場面を想像し始めてしまう。
杏奈が、違う男にフェラチオしている姿や、セックスしている姿。それを想像すると、異常なほどの焦燥感を感じてしまう。でも、同時に異常なほどの興奮も感じてしまう。

『あっ君のもっと固くなってきた。ダメだよ、お口でイッちゃダメだからね』
杏奈は、そんな風に言いながらも、まだフェラチオを続けてくる。僕は、本当に余裕がなくなってきてしまっている。すると、杏奈がサイドボードからコンドームを取り出す。そして、パッケージを破ると、僕のペニスに付け始める。

こんな風に、女性がコンドームを付けることなんて、あまりないと思う。僕は、あんなの過去の性遍歴を想像してしまいながらも、研二にコンドームを装着する杏奈を想像してしまっている。
大学時代に研二に彼女を寝取られて以来、それがトラウマでもあり、興奮するブースターの役割も果たしている。

そして、コンドームを装着すると、杏奈は僕にまたがって騎乗位でセックスを始める。強烈な締め付けと、セクシーなランジェリー姿……。僕は、一瞬でイキそうになってしまう。ショーツをずらしただけで、脱いですらいない杏奈……。
『あっ君、気持ち良いっ。すごく固いよ。愛してる。もっと気持ち良くなって!』
杏奈は、そんなことを言いながら腰を動かす。僕は、こんなにもイイ女が、どうして僕なんかと結婚したのだろう? と、疑問を感じながら、必死でイクのを堪える続ける。でも、あんなの膣のあまりの気持ちよさに、僕は我慢しきれずにゴメンと謝りながら射精を始めてしまった……。

『フフ。ドクドク言ってる。気持ち良かった?』
僕に身体を預けて甘えたように抱きつきながら、杏奈がそんな質問をしてくる。僕は、気持ち良かった答え、彼女にキスをした。

いつも、杏奈とのセックスはこんな感じになる。僕が受け身というか、なすがままにされているような感じだ。男として、情けないとは思う。でも、幸せを感じている。

研二は、
「本気で惚れさせて、その後どうするんだよ。別れるつもりはないんだろ?」
と、質問をしてくる。僕は、うなずく。
「意味がわからんよ。お前に、何のメリットがある? て言うか、誰にもメリットないだろ。俺が、嫁さんとやれてラッキーってだけな気がするぞ」
研二は、そんな感想を言う。確かに、言うとおりだと思う。でも、僕はもう一度お願いをした。そして、借金はそれでチャラだとも言った。

「まぁ、そう言うことなら断る話じゃないけど」
研二は、そんな風に言う。さっきから、杏奈を簡単に堕とせるような前提で話をしている気がする。僕は、正直に言うと、いくら研二でも堕とせないと思っている。自分で言うのも気恥ずかしいが、杏奈は僕に一途な女性だと思っている。僕にそんな価値があるかどうかは別として……。

「OK。じゃあ、早速動くぞ。まずは、写真とか見せてくれよ。顔も知らないんじゃ、堕とせないしな」
研二は、そんな風に言う。僕は、スマホを操作して何枚か写真を見せる。
「マジか! メチャクチャイイ女じゃん! え、待って、マジ、ホント美人だな。胸もデカいし。なんでこんなイイ女を、他人に抱かせたがるんだよ。お前って、ホントおかしいよな」
研二は、そんな風に言う。アンナの写真を見て、かなりテンションが上がっているのがわかる。僕は、研二のようなヤリチンが、こんなに杏奈のことを褒めるのが妙に嬉しくて、優越感を感じてしまった。

そして僕は、いくつかの情報も伝えた。好きなモノとか、好きなアーティスト、よく行くショッピングモールや、通勤の経路などなど。

「了解。それだけわかれば、もう充分だよ。じゃあ、逐一報告するな」
そう言って、研二は去って行った。僕は、ドキドキしながらも、そんなに簡単にいくはずはないと思っていた。

そして数日経過した。杏奈は、とくに何も変化がない。まだ、動きがないんだろうなと思っていた。そんなタイミングで、研二からメッセージが届いた。内容は、杏奈とlineの交換をしたという内容だった。

僕は、まさかと思いながらも、メッセージの続きを読む。杏奈が自転車でいつものスーパーに行く途中で、タイヤがパンクしたのを助けたことがきっかけで交換したそうだ。
そして、そのパンク自体はアイツが仕組んだことで、偶然を装って声をかけたみたいだ。ロードバイクに乗ったりしていた彼は、パンクの修理は慣れているそうで、その場で直して上げたそうだ。

そして、メッセージのやりとりの内容も、添付されていた。と言っても、ただのお礼だけで、なにかが起きそうな感じはない。でも、僕は杏奈が連絡先の交換をしたことに、大きな衝撃を受けていた。

その日から、ほぼ毎日研二から報告が来るようになった。内容は、杏奈とのlinのやりとりだ。内容は、本当にたわいものない事ばかりで、天気のこと、ニュースのこと、芸能のことなどなどだ。どれも、研二が一方的に送りつけている感じで、杏奈の返信もごく短いものばかりだ。
それを見て安心する気持ちもあるが、杏奈が毎回メッセージが届くとすぐに返信していることが気になってしまった。僕は、ドキドキしっぱなしだった。どんな形であっても、杏奈が他の男とメッセージの交換をしている……。

ただ、杏奈の様子はなにも変化がない。いつも通りの明るい彼女だし、夜のお誘いも変わらず多い。考えすぎかもしれないが、なんとなくセックスが激しくなった気がする。僕は、杏奈がなにを考えながらセックスをしているのか気になって仕方なかった。

研二からの報告は続き、杏奈のメッセージが変化してきているのを感じた。返事が長くなっていて、メッセージのやりとりが1往復で終わらなくなってきている。
認めたくないが、楽しそうな感じに見えてしまう。
”今日、髪切ったんだ。杏奈ちゃんに短い方が似合いそうって言われたから、結構バッサリ”
そんなメッセージを送る研二。
”へぇ、どれくらい? 研二さん、格好いいからどの長さでも似合いそうだね”
杏奈は、そんな風にメッセージを送り返す。もう、口調もすっかりと親しげになっている。そんなメッセージのやりとりを楽しむ二人。僕は、杏奈はどんな気持ちになっているのだろう? と、心配になってきていた。確かに、研二には本気で堕として欲しいとお願いした。でも、きっと上手く行かないはずだという思いもあった。このメッセージのやりとりを見ていると、危ういような気持ちになる。

ただ、こんな親しげなメッセージのやりとりを毎日にのようにしている杏奈なのに、まるでそんな素振りも見せない。僕の前ではスマホをいじることすらしない。

そして、この夜も杏奈の方からセックスのお誘いがあった。僕は、いつもと変わらない杏奈の行動に安心しながらも、心の中ではなにを考えているのだろう? と、疑念ばかりを持ってしまう。

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